農業分析について
栄養成分、機能性成分分析について
微生物検査について
作業環境測定について
住環境測定について
その他
農業分析について
残留農薬についてどれだけの農薬の分析を実施すればよいのですか。
食品衛生法では分析項目数を決めてはいません。法律では、残留基準値を超えた食品の流通を原則として禁止することにしています。農作物では農薬の使用履歴が残されているはずですので、まず使用した農薬の残留分析を第一に行い、次に収穫間近にドリフトの可能性があった場合は、その農薬について分析を行えばよいでしょう。無闇に数多くの農薬について分析する必要はありません。
残留農薬の一斉分析を実施した結果、基準値超過の農薬がありました。どうすればよいのですか。
残留農薬の一斉分析法は多くの農薬を一度に分析するための方法ですので、個別分析法に比べ正確性が劣ります。従って、個別分析を実施して基準値を超えているか否か確認して下さい。個別分析で基準値を超過していれば流通させることが出来ません。
残留農薬の分析機関は多くありますが、どのような分析機関を選べばよいでしょうか。
分析機関が一般的な残留農薬の分析を実施するのに特に資格は求められていませんので、質的にピンからキリまであり、しかも分析報告書が紙切れなので選択は難しいと思います。特にポジティブリスト制度になり一斉分析が行われるようになってからは、今まで残留農薬の分析など実施したこともないような新規参入も増えトラブルの相談が増えてきています。
質的に確かな機関は、農薬登録のための作物残留試験を実施している機関や厚生労働省の食品衛生法に基づく登録検査機関であろうと思います。インターネット上で広告を出し、分析料金の安さ、一斉分析の数の多さ、報告までの日数の早さなどをセールスポイントにしているような機関は勧められません。
栄養成分、機能性成分分析について
栄養成分表示について表示すべき事項について教えて下さい。
一般の消費者の方に販売する加工食品について、日本語で栄養成分・熱量に関する表示をする場合に健康増進法で、熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウムを必須項目としてその含有量をこの順番で記載することが義務付けられています。さらにこの下に栄養表示をしようとする、カルシウム、亜鉛、マグネシウムなどの金属類やビタミンなどのその他の栄養成分が表示できます。
なお、実際の測定に当たっては、炭水化物算出のため、一般の食品では灰分、水分、茶の場合は灰分、水分に加えタンニン及びカフェインの測定が必要となります。
機能性成分とはどのような成分を言うのですか。
栄養素とは炭水化物、たんぱく質、脂質、無機質、ビタミンなどで、ヒトが生きていく上で不可欠の成分です。これに対し、生命を維持するためには必ずしも必要ではないけれど、健康の維持や病気の予防に役立つ食物中の成分が機能性生成です。食物繊維やファイトケミカルなどがそれにあたります。ファイトケミカルとは、野菜や果実、海藻など植物性の食物に含まれる、色素や香り、アクなどの成分で、がんの予防や動脈硬化の予防などさまざまな効果が認められています。中でも抗酸化作用はほとんどのファイトケミカルがもつはたらきであり、有害な活性酸素を抑え、老化や生活習慣病を防いでくれます。ポリフェノールやフラボノイド、βカロテンなどがこれに相当します。
微生物検査について
一般細菌数、大腸菌群について、お茶で基準がありますか。
食品衛生法ではお茶に基準値はありません。従いまして、それぞれ自社で基準を設けているのが現状ですが、粉末清涼飲料の基準(生菌数:3,000/g以下、大腸菌群:陰性)を用いるケースが多いようです。ペットボトルの原料などではこれよりかなり厳しい要求があります。
大腸菌群と大腸菌の差違は何ですか。
大腸菌群はヒトおよび動物の消化管に常在する菌属であり、糞便中に多量に存在します。従って、大腸菌群が検出された場合には糞便汚染が示唆されます。しかしながら、近年の研究で広い意味での大腸菌群はヒトや動物の消化管だけでなく自然界に広く分布していることがわかりました。従って、大腸菌群が検出されても必ずしも糞便汚染を示すとは限らないことから、今日ではより広い意味での衛生管理の指標と考えられるようになりました。大腸菌群の中で、44.5℃の培養温度で乳糖を分解してガスを発生するものを糞便系大腸菌と呼びます。自然界に存在する大腸菌群はこのような培養温度でガスを産生しないことから、大腸菌群の汚染が高い食品では、大腸菌を調べ糞便汚染の状況をより正確に知ることが必要です。
大腸菌群数の単位MPN/100mlとはどのような単位ですか。
MPNとはMost Probable Number の略で再確数と言う意味です。最確数とは、培養後のコロニーの数を確率として統計学的に表したもののことです。この単位は、試験水100mLを培養皿で培養した場合に出現する大腸菌コロニーの個数を示します。従って「MPN=コロニー数(個)」と考えても良いといえます。しかし、コロニー数は計測誤差を減らす観点から、30~300個程度になるよう検水の量または希釈率を調整します。「平板培地法」では分析に使用する検水量は、1mL程度が限界ですので大腸菌群数50MPN/100mLの場合、50個/100mL=0.5個/mLとなり、コロニー数0.5個を数えるということになってしまうため、うまくいきません。ここで、この水を10個の培養皿に1mLずつ取って培養したとします。その場合、5個の培養皿には陽性(コロニーの検出)の反応が出て、他の5個の培養皿には陰性(コロニーが検出されない)の反応が出るという確率が一番高くなります。それについで陽性6:陰性4、陽性4:陰性6の割合で検出される確率が同率で発生し、さらに7:3、3:7の割合、8:2、2:8の割合で検出される確率が続いていきます。この確率分布は、「水中に大腸菌が一様に分散する」「分取された菌は陽性反応する」という条件下において統計学的に処理できます。逆に言えば、大腸菌群数が未知である水を分析した場合、陽性5:陰性5で出た場合には、0.5個/mLである確率が最も高くなります。勿論、厳密に言えば、0.5を中心とした値に真の値があります。このように大腸菌群数をx、培養皿の数をn、うちコロニーが検出されたものをpとして考え、統計学的に処理し、nとpから最も確からしいxの値がいくつかを考えるのが最確数法の手法です。培養皿の数nが大きいほど正確ですが、試験が煩雑になるため通常はn=5を用い、また希釈倍率を変えた4段階の検水で判定しています。
作業環境測定について
作業環境測定対象物質ににホルムアルデヒドが追加されたそうですが、概要はどの様になっていますか。
「特定化学物質障害予防規則(特化則)」等の改正により平成20年3月1日よりホルムアルデヒドが特定第2類物質に指定されました。これにともない、ホルムアルデヒドを製造する、または取り扱う作業全般について勤労者の暴露を防止するため、事業者は必要な措置を講ずることとなりました。ホルムアルデヒドを製造する、または取り扱う作業場については、6ヶ月以内ごとに1回定期に作業環境測定士による作業環境測定を行わなければなりません。管理濃度は0.1ppm で、測定は「作業環境測定基準」(昭和51年労働省告示第46号)「固体捕集-高速液体クロマトグラフ法」または「検知管法」(測定値に影響を及ぼすおそれのある物質が存在しない場合に限る)により行います。測定の記録・評価の記録を30年間保存する必要があります。
住環境測定について
シックハウス化学物質について濃度の基準はありますか。
国では、厚生労働省、国土交通省等の関係省庁が協力して「原因分析」「基準設定」「防止対策」等のシックハウス総合対策を行なっています。厚生労働省は、ホルムアルデヒド、トルエン、パラジクロロベンゼン、クロルピリホス、フタル酸ジ-n-ブチル等13物質の室内濃度指針値を設定しています。濃度指針値は、ホルムアルデヒド:100μg/m3(0.08ppm)、トルエン:260μg/m3(0.07ppm)、キシレン:870μg/m3(0.20ppm)、パラジクロロベンゼン:240μg/m3(0.04ppm)、エチルベンゼン:3800μg/m3(0.88ppm)、スチレン:220μg/m3(0.05ppm)、クロルピリホス:1μg/m3(0.07ppb)、少児は1/10、フタル酸ジ-n-ブチル:220μg/m3(0.02ppm)、テトラデカン:330μg/m3(0.04ppm)、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル:120μg/m3(7.6ppb)、ダイアジノン0.29μg/m3(0.02ppm)、アセトアルデヒド:48μg/m3(0.03ppb)、フェノブカルブ:33μg/m3(3.8ppb)です。括弧内の濃度は25℃時の換算値。トータルVOC濃度(暫定目標値):400μg/m3
その他
重金属(鉛として)と鉛の検査はどうちがうのか。
重金属(鉛として)という検査は、酢酸酸性で硫化ナトリウム試薬によって硫化物を生成し呈色(暗褐色)する金属、例として 鉛、カドミウム、スズ、銅、ヒ素、ニッケル等の総量を測ることで、既知濃度の鉛水溶液の呈色(PbS)と目視比較して、 鉛の量として表します。一方、鉛の検査は鉛のみを原子吸光装置等を用いて測定、定量します。
添加茶か否かを確認するためには何を分析したらよいのでしょうか。
味が良くない品質の悪いお茶に、味を良くするための着味料として、アミノ酸の1つであるグルタミン酸ソーダを添加する場合があります。また、色合いの悪いお茶の色をよく見せるための手法として、炭酸水素アンモニウム、重炭酸アンモニウムなどを添加する場合があります。これは、茶のクロロフィル(葉緑素)が弱アルカリ性で安定であり、このような状態では茶の鮮緑色が保たれることから、弱アルカリ性物質、例えば炭酸水素アンモニウム、重炭酸アンモニウムなどを製茶工程で加える事により、より上級の茶葉に見せる行為として行われまする。従って、ナトリウムイオン、アンモニウムイオンを分析すれば良いでしょう。産地によってはこれらの値が高く出る場合がありますので、ナトリウムイオンの分析値が高い結果が得られたときは、テアニン、アスパラギン酸、グルタミン酸などを測定し、その量的比率を算出し確認することが行われます。
ペットフードの安全を確保するため、ペットフード安全法が施行されたそうですが、概要はどのようなものでしょうか。
ペットフード安全法(愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律)が平成21年6月1日に施行されました。ペットフードを輸入又は製造を行っている事業者は、個人、法人を問わず、平成21 年7月1日までに事業者としての届出を行う必要があります。総合栄養食、一般食のほか、おやつやスナック、ガム、サプリメント、ミネラルウォーターなど犬・猫が食べるもので動物用医薬品等以外のものが対象となります。ペットフードの安全を確保するため、安全性に関する基準・規格が定められ、これに合致しないペットフードの製造・輸入・販売は禁止されます。成分規格としては、<カビ毒>アフラトキシンB1:0.02ppm、<農薬>クロルピリホスメチル:10ppm、ピリミホスメチル:2ppm、マラチオン:10ppm、メタミドホス:0.2ppm、グリホサート:15ppm、<添加物>エトキシキン・BHA・BHT:150ppm(合計量)、犬用にあっては、エトキシキン75ppm以下。今後、以下の物質についても安全基準の設定を検討する予定。<かび毒>デオキシニバレノール、<重金属等>水銀、カドミウム、鉛、ヒ素、<塩素系化合物>BHC、DDT、アルドリン・ディルドリン、エンドリン、ヘプタクロル・ヘプタクロルエポキシド、<添加物>亜硝酸ナトリウム、ソルビン酸。
食品の期限表示で賞味期限と消費期限がありますが、どの様な違いがありますか。
平成7年4月から、食品の表示は製造年月日に替えて賞味期限又は消費期限が表示されるようになりました。賞味期限はおいしく食べることが出来る期限でこの期限を過ぎてもすぐに食べられなくなると言うことではありません。一般的にはカップめんやスナック菓子など比較的日持ちする食品に表示されます。一方、消費期限は、その期限を過ぎたら食べない方が良いもので、弁当、総菜など比較的短期間に腐敗や変敗しやすい食品に表示されます。これらの期限は、食品の製造業者が科学的、合理的根拠に基づき設定しますが、厚生労働省と農林水産省から「食品期限表示の設定のためのガイドライン」が出されています。